SUPER MACHINE


昨年から構想していた「寺子屋プロジェクト」を年始から始めました。
業界の方がメンバーとして参加して頂きましたが、残念ながら眼鏡屋さんは誰も参加されませんでした。

私は22歳頃から新宿の紀伊国屋にあった「三邦堂」(閉店)でドイツ式両眼視測定を学びました。
眼鏡屋になるのに資格は不要です。専門学校もありますが、行かなくても眼鏡屋になれてしまうのです。
世界中は国家資格制度があるのですが、日本には無いのでJINSやZOFFのようにアルバイトでも測定ができる訳です。

この件に関しては資格制度化をしようという動きもあるのですが、海外のようなちゃんとした国家資格になりそうも無い中で進められていて、形骸化したりもっと状況が悪くなりそうな懸念が大きくなって来ています。

本来はちゃんとした国家資格であるべきだと私は考えています。

↑三邦堂の最後の日に一門で撮った唯一の写真。グラシアスの伊藤さんもいます。

メガネナカジマで働きだしてから眼鏡屋になったので、私は専門学校に行かずに眼鏡屋になりました。
働き出してから三邦堂の門を叩いたので、仕事の合間や仕事が終わった後、休みの日や年1回7~10日ほどの集中合宿など20代の多く時間を費やしました。

右も左も分からず眼鏡屋になった自分には精神的にキツくて、丸12年かかり「もう教えることは無い」と言われた時は頭が真っ白になったのを覚えています。

最後の合宿地は因島でした。

 


34歳の時に言わば「免許皆伝」となったのですが、それからは自分で学んで行かなくてはなりません。
これはこれで大変で、独立した美容師さん達も技術のアップデートに困ると聞きました。
メガネ業界も技術講習会が頻繁に行われていて、可能な限り参加し最前列に座り一つでも多く学んでいこうと質問をしまくってます。

この寺子屋プロジェクトは私のプライベートな学びの場で、私自身が課題を見つけ気になることを徹底的に追い込んで学びます。
それに賛同してくれる方が毎回休まずに参加してくれて、スポーツアイウェア系の方が多いです。
またの機会に書こう思いますが、スポーツサングラスのジャンルをアップデートする為のベースに位置づけた内容なんです。

 


昨年、NHKの「試してガッテン」で眼科医の梶田先生による「調節機能解析装置」が注目されました。
眼鏡屋で測定する際に、最初に測定する”気球”が見えたりするあの装置(オートレフ)に特別な測定を付加させたものです。
オートレフと言いますが、大まかな度数を測定する機器で、眼鏡屋にはだいたいある機器ですね。

そのオートレフがこの10年で劇的な進化を遂げていて、実は色んな眼の状態が測定できるようになってきています。
それを徹底的に検証していました。

 


メガネナカジマの寺子屋では、オートレフでも世界的なシェアの高い医療機器メーカー「NIDEK(ニデック)」さんのご協力の下、4台のオートレフをお借りして7ヶ月間掛けて検証しました。

「波面高次収差解析装置」を2台と「調節機能解析装置」を2台。
いずれも高性能版と通常版といった性能の差があります。

「波面高次収差解析装置」は眼の表面の凸凹を測定し、「調節機能解析装置」は梶田先生が紹介されていたように近くを見る力を測定します。

いずれの4台ともに眼鏡屋が扱うにはオーバスペックだと思いますし、これがなきゃ眼鏡が作れないわけでもありません。
では「先行投資」の為かというとそれもちょっと違い、これがあるから凄いでしょっていう広告になる代物ではありません。

私がより良い眼鏡を作りたいという単純な理由で、今まで分からなかった部分を明確にしたいという欲求だけかもしれません。

 


7ヶ月間掛けて4台を検証して「波面高次収差解析装置」の高性能版の導入を決めました。
眼の表面の凸凹や夜間視力が低下する傾向を測定できます。

通常版でも良いかと当初は思っていたのですが、私が比較させて頂いた感触としては高性能版の一択だと思いました。
このあたりの判断は専門的すぎるので説明を割愛させて頂きます。

 


世界的に有名な光学機器メーカー「ZEISS」さんも同様の装置を販売していまして、解析結果をレンズ製作に反映することが出来ます。
残念ながらメガネナカジマが採用したこの装置は現状でレンズ製作に解析結果を反映することは出来ません。
フランスでは日本のレンズメーカー「HOYA」さんと組んでZEISSさん同様のサービスを始めています。

レンズ製作に反映が出来ないなら「ZEISS」さんの装置を買わなきゃ、どうやって購入費を賄うんだい?。

この測定機器の導入によって利益を生むって事を考えたら、まず生み出せないので導入出来ないんです。
かなりこの部分に引っかかっていまして本気で検討してなかったんですが、寺子屋のメンバーで充分な知識もなくニデックさんのスーパーマシンを買っちゃった方がいたんです。
当然、どう使いこなすか分からないとのことで、仕方なく覚え始めたのが偶然のキッカケでした。

 

日々こういったより良い眼鏡を作るアップデートにチャレンジしています。
チャレンジしてもアップデートが出来ないことも多々あります。

ですが今回の試みはかなり自分的な成果が高かったので、ずっとおサボりしていたブログを長々と書いて説明させて頂いたのであります。
メガネナカジマで測定される全てのお客様にこの解析装置を使い、測定させて頂いております。
機器か解析したデータを読み解くスキルが一番大事で、これには骨が折れました。
ただ測れば良いってもんじゃないところに苦労します。

梶田先生が紹介された「調節機能解析装置」は、患者さんやお客様にもトラブルが可視化できるという良さがあります。
これはこれで魅力でして2台とも導入するのが理想なんですが、「波面高次収差解析装置」だけで高級車が一台買えてしまう価格。
私の眼鏡作りへの意地みたいなところもあるので、レンズ価格等に上乗せは一切しないと決めています。

「調節機能解析装置」は別のプロジェクトに使えるなと構想しているので、そちらが動き出したら検討します。

SNS全盛の今、どこでこういった事を発信していくか悩みに悩みました。
個人名義でtwitterもやってましたが、思うところがあり辞めました。

ブログなんて長文を誰も読んで無いだろうけども、興味のある方へ向けてちゃんと発信したいと思いブログをまた走り出させようと思っています。
オープンに出来ない事もありますが、なるべく今やってる活動は話していくので参加したいと思った方はお気軽にどうぞ。

 

久しぶりにブログを書き始めて、ここまで3時間。やっぱSNSは偉大だな。
少ないエナジーで多くの人にリーチしてくれます(笑)

 

■お客様へ■
なるべく検眼のご予約を頂けますと助かります。
ご協力の程をよろしくお願いいたします。

 

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