OAKLEY RX LENS issue#2

前回はカーブの強いサングラスを度付きにするためには、
レンズカーブを合わせていこうというお話でした。
第2回目の今回は「レンズ設計」の説明を行いたいと思います。

 

■レンズ設計には種類がある
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度付きメガネを買われる時に「薄さ」の説明をよく受けられると思いますが、
多くのお客様は「設計」についてはそれほど興味を持たれていないかと思います。

薄型レンズになればなるほど↑画像の真ん中のように「非球面設計」が標準化されるので、
特に気にされていない方も多いですし、販売側も「球面」と「非球面」の設計差は説明致しますが、
超薄型レンズで球面設計にして欲しいとリクエストを頂いても実現することが難しいので、
必然的に非球面設計か両面非球面設計の選択肢しかないことになってしまいます。

■球面・非球面・両面非球面とは何か?
度数が強くなり薄型化をしていきますと”収差”と呼ばれる色んなシワ寄せが起こってしまいます。
*↑画像を見ていただくと周辺部が歪んで見えます。
度が強い方に大きく起こり、弱い方にはそれほど強く歪みは起こりません。
ざっくり言いますと薄型化を進めた”副産物”が”収差”であると言って良いかもしれません。
この収差の補正をする設計こそが”非球面設計”であります。

レンズ選びの際に厚みが気になる方が多くいらっしゃるかと思います。
そのようなニーズから日本では特に薄型化が進化してきた経緯があります。
透明度(色)の低下や歪みなどの副産物が発生しても補正を加え薄型レンズの開発をして来ました。
今はどちらかと言うと見え方を重視する傾向にあり、過度の薄型化戦争は収束した感じです。

通常カーブにおける両面非球面設計は乱視の強い方や遠視の方の薄型対策に非常に有効な設計ですが、
乱視の無い近視の方にはあまり恩恵を受けないレンズ設計となっております。
度数やフレーム形状から適切なレンズ設計を選ぶコンサルティングこそが私達、眼鏡店の仕事です。

 

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OAKLEYではカーブの強いサングラスの度付きにも「非球面設計」を採用しております。
厳密に言うと「内面非球面」という設計を採用しており、通常の非球面設計よりも収差補正に
自由度がありカスタマイズされた見え方を実現します。

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度数が利くエリアが広いので視野が広くスッキリした見え方を実現します。
カーブ用の検眼とフィッティングの高い精度は必要としますが、
特に非球面設計を掛けられていたお客様がハイカーブを掛け替えた時の違和感は最小限に済みます。

ハイカーブの度付化を年間2千本弱行なっておりますが、数年前までは”球面設計”しかありませんでした。
お客様の視機能に対して、カーブの強いレンズでも”非球面設計”を使いたくても使えない時期が長く続きました。
しかし、今は非常に選択肢が広がっております。

OAKLEY純正レンズには度数やカラーの制約がありますので一概には言えないのですが、
OAKLEYサングラスに度付きを考えられている方は純正レンズをまずはご検討されると良いかと思います。

とても良くできているレンズである反面、専門性が高くなってしまった為、当店に限らずとも
極めて高いレベルでハイカーブの度付きを行なっているお店での製作を強くおすすめします。

 

内面非球面設計においてOAKLEY RXレンズの価格は非常にお手頃です。
当店も国産レンズで同等程度のプライスを実現しておりますが、度数範囲と色がマッチすれば純正です。
その理由は次回、解説したいと思いますがピリッと効いた隠し味があるんです。

第2回目はハイカーブでも「非球面設計」の時代というお話でした。

 

 

 

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