Optometry Trip
先日の定休日を利用しまして出張検眼の旅に出てまいりました。
記念すべきデビュー戦となったのは「ZERROWS」さんのショールーム&ファクトリーです。
オーナーの寺田さんはオリジナルブーツブランド「ZERROWS」を立ち上げ、本格志向なワークブーツを国産で製作されております。
ZERROWS BOOTSは全て寺田さんのファクトリーで一貫生産され、外注先の手の入らない国産ブランドです。
バイカーを中心としたコアなユーザーを虜にしており、私自身も感動的なフィット感を含めた履き心地に感銘を受けております。
今冬、検眼設備を搭載した車両を先輩のご厚意により入手し、車両内でも検眼が出来るようになっておりますが、正確な測定には視力表間で6mの距離が欲しいところです。
幸いZERROWSさんのショールームは6mを確保することが出来たので、視力表を降ろしマニュアル(機械を使わず)で検眼することになりました。
ドイツ式の検眼は”仮枠検査”と言って、今の眼鏡店で用いられるハイテクな機器をそれほど使いません。
店頭ではオートメーションな機器を導入しておりますが、ローテクな技術だけで精度の高い眼鏡を作り上げる事も、私の出張検眼における目的の一つです。
私もお客様に「パソコンはこのくらいの距離でお使いでしょうか?」と慣例的にお聞きしています。
お客様も「そのくらいですね」とお答え頂きます。
でも実際に使用されるPCを前にメジャーで距離を測って頂くと10cm程度の誤差はよくあり、PCモニターの大きさも見え方を左右する要因となります。
とても気をつけなくてはいけない慣用句です。
“使われる方の現場で直接測って眼鏡を作る”というテーマがこのプロジェクトの最大の目的かも知れません。
↑の作業をされる時の眼と手元の距離は25~28cmでした。
老眼鏡を作る時のピントを合わせる距離は30~35cmと言われておりますが、お客様が使いたい距離に個人差がある事が多いので、何となく”一般的”だと考えていることを全て疑って掛かるようにしております。
お仕事をされる時に当然ながら集中されると思いますが、その”集中”という心理的な要素も眼の使い方として度数や眼位が変化する要因となります。
眼鏡作りの理想はお客様の使われる現場で作り上げる事なのかな?と只今模索中です。
そんな新しい模索の為に出張検眼を始めました。
数年前、アメリカの研究でスマートフォンを見る距離は約35cmくらいだと発表されました。
現在、これだけ普及してデータを取ってみると、35cmより近い方がとても多いです。
興味本位なところもありますが”本当にそうなのか?”という事を少しづつで良いので探っていきたいです。
外商や老人ホームへの訪問販売というような出張検眼では無く、NEWジェネレーションなりの新しいスタイルを見つけられればと思っております。
寺田さんご協力ありがとうございました。
中島 正貴
有限会社スクランブル 代表取締役
1999年にメガネ業界に入る。新宿の紀伊国屋にあった三邦堂(閉店)でドイツ式両眼視測定を学ぶ。2006年よりメガネブランド「GROOVER」を立ち上げ、国内外の展示会へ出展する。2011年より世界初のレンズカスタムレーベル「GOODMAN LENS MANUFACTURE」を立ち上げる。2016年より世界のアイウェアシーンで有名なアイウェアマガジン「V.MAGAZINE」、アイウェアエキシビジョン「V.O.S」の日本開催権を取得。ネコ・パブリッシングの協力により「V.MAGAZINE JAPAN」の刊行と、「V.O.S TOKYO」を開催する。2021年には日本発のスポーツサングラスブランド「XAZTLAN」を発表。2022年、メガネの「ホントにミニマムな国際展示会RAMBLE」を7年ぶりに復活。2023年、5坪のメガネ屋「陽ハ昇ル GROOVER×XAZTLAN」を表参道にオープンさせるなど精力的に活動中。
職歴
・メガネナカジマ代表
・陽ハ昇ル GROOVER×XAZTLAN オーナー
・GROOVERデザイナー
・GYARD主宰
・XAZTLAN(ザストラン)ファウンダー
・東京セイスターグループ理事
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