Another Story with Mr. Jerome Mage

この記事は2018年8月にV MAGAZINE JAPANのブログに掲載された記事を転載しております。
もう間もなくV MAGAZINE JAPANの最新号がリリースされますが、こんな特集をやっておりますというご案内をかねて。
2018年8月の時点でJACQUES MARIE MAGE(ジャック・マリー・マージュ)を取材した初の日本メディアとなりました。
アトリエまで押しかけて取材したので、かなり貴重な記事となっております。
メガネ雑誌としての海外潜入取材は、最近まず見かけないので、実はかなり気合が入っているメガネマガジンなのです。
この記事もbootチームが、1年以上の歳月を掛けて実現しました。

この当時もグイグイと来ていたACQUES MARIE MAGEでしたが、2年が経過した現在、世界で一番注目されているメガネブランドとなったと言っても過言ではありません。

 

Jerome Mage氏、インタビュー外伝

ようやく発行の運びとなったV magazine Japan Free Paper ♯02。(2018年8月の時点)もう手に取っていただけただろうか。今号ではアメリカを中心に、ポスト・クラシックの急先鋒として注目を浴びているJACQUES MARIE MAGE(ジャック・マリー・マージュ)のデザイナー、Jerome Mage(ジュローム・マージュ)氏をTOKYOからL.A.まで追いかけて取材を遂行した。しかしながら4ページという紙幅では割愛せざるを得なかった事柄がいくつもある。そんなわけで、ここではフリーペーパーでこぼれてしまったマージュ氏とのインタビュー番外編として拾っていきたいと思う。

日本とMage氏の意外な関係


誌面でも触れたが、マージュ氏は日本のファクトリーでの実務レベルの打ち合わせや職人とのセッションをするため、そしていち早くJMMを取り扱うショップでのトランクショーを兼ね、少なくとも年に3回以上は来日する。日本がビジネスに欠かせないキープレイスであることは間違いないが、同時に日本の文化やプロダクトに若い頃から強く惹かれていたという。目下のところ、その興味の対象は“蕎麦”と“プロ野球”、という意外な答えが返ってきた。

「日本に来るたびに、いろんな蕎麦屋に連れて行ってもらってから夢中になっていてね。それぞれに味が違って、どれも美味しいんだ。日本の蕎麦屋巡りを極めたら、蕎麦屋のガイドブックを作ろうかと思って(笑)」。そしてプロ野球は、特に“阪神タイガース”のファンで、先日の来日では阪神VSヤクルトの試合を観戦。野球道具も“玉澤”や“SSK”の職人技が光る逸品を支持、という筋金入り。プロダクトの現場やヒストリーを重んじるマージュ氏らしい着眼点が興味深い。「まだ海外で日本のプロダクトがあまり買えなかった時代には、ヒデユキ(ジュローム氏と旧知のフォトグラファーで本誌ページも撮影)に頼んで、日本から買ってきてもらったりね」。


またL.A.のアトリエの書庫に、日本の雑誌が数多く並んでいたのを訪ねると、かなり以前から日本のファッション動向はチェックしていたそうだ。「若い頃のファッションのお手本は“メンズノンノ”だったよ。ここ数年は“フリー&イージー”が愛読書だったんだ」という。「日本人はプロダクトを表面的ではなく、深く折り重なった歴史やストーリーにグッと踏み込んで探究する気質があって、それが僕のブランドとも非常に相性がいいと感じるんだ。それにアメリカン・ヴィンテージに対する想いも、とても良く似ているんだ」。


“外人”である我々の眼には、キャンディの包み紙や道路標識から、ジーンズやインディアン・ジュエリーに至るまでが、アメリカのカルチャーを体現するアイコン。そこにフランス人の感性を投影させると、あの攻めたディテールにもかかわらず馴染み深いクラシック感が出る、というわけだ。

 

 

Writing:H.Jitsukawa
Photo:M.Nakajima

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