調光レンズって何だ?2021
目次
新たな調光レンズの幕開け
スポーツや登山、スキー、自転車、オートバイなどのシーンで活躍する調光サングラスですが、新しい製品が次々と出されています。実はこの1年くらいの間に、面白い製品が出てきております。
調光コンタクトレンズ
昨年、発売され話題になった「世界初!調光コンタクトレンズ」。構想はかなり前からあったようなのですが、なかなか発売されなかった調光コンタクトレンズです。使用されている方にお聞きすると、概ね良好とのこと。通常のコンタクトレンズよりも、当然ながら値段が高いというご意見が多かったです。
瞬間調光サングラス
調光レンズの着色には10~30秒と比較的早く色が付くのですが、抜けるのに少し時間が掛かります。紫外線が当たらない状態になってから、約1分で70%程度の色が抜けます。そしてクリアになりきるまで、約3~5分位かかります。
そんな調光レンズに革命が起こりました。
0.1秒で色が付いたり抜けたりする、瞬間系調光サングラスが登場しました。ソーラーパネルを利用した調光サングラスなのですが、詳しくは→こちらを御覧くださいませ。
液晶パネルを用いた構造なので、レンズよりも解像度が劣る点や、度付きに対応していない点でデメリットがあります。私のオススメなのですが、このレンズを使用した「EXCELY」は、メガネの上から掛けられるオーバーグラスです。オーバーグラスの使い方には、非常にマッチしているのではないかと思います。
カラフルな調光レンズ
調光レンズの”色”と言えば、「グレー」か「ブラウン」に着色するものが多かったのですが、ブルーやパープル、オレンジ系へ着色する種類が増えています。”濃くなりすぎない”タイプの調光レンズもあって、選択肢の幅はかなり広いです。
以前は、度付調光レンズにしたいと思うとレンズ設計が選べなかったりするのですが、現在は設計選びに困ることはありません。
調光レンズを探し続けて20年
度付きの調光レンズは、グローバルに展開する国内レンズメーカーから1枚からでも仕入れることができます。しかし、度なしレンズはそうはいきません。場合によっては数千枚の単位で輸入することもあります。国内でスポーツサングラス用の度なしの調光レンズを作っているところはないですし、海外のサングラス文化においても「透明から着色する調光レンズなんて意味があるの?」と良く言われました。海外ではある程度の濃度から始まる調光レンズが定番で、透明から変色する調光レンズなど皆無でした。
つまり、日本にいる私達が思っている”透明→サングラス”になる当たり前の調光レンズは、世界のサングラスシーンでは全く考えれれていなかったという衝撃です。この現実を20年前に知りました。
それでも、拙い英語で交渉しスポーツサングラス用の調光レンズを作ってもらい今に至っております。間違いなく無駄に、度なし調光レンズのラインアップを世界一揃えているメガネ屋だと思います。
でもそんな甲斐もあって、今では世界中のレンズメーカーにネットワークができました。偏光レンズもそうですが、このコロナウィルス感染拡大を経て、取り巻く状況が変わってきています。各サングラスブランドが、レンズに対するアプローチをより高度にしていくだろうと私は予測しています。
それは皆様にとって、サングラスが無くてはならないものになる予感がしているので、ドンドン情報を発信していきたいと思っております。
中島 正貴
有限会社スクランブル 代表取締役
1999年にメガネ業界に入る。新宿の紀伊国屋にあった三邦堂(閉店)でドイツ式両眼視測定を学ぶ。2006年よりメガネブランド「GROOVER」を立ち上げ、国内外の展示会へ出展する。2011年より世界初のレンズカスタムレーベル「GOODMAN LENS MANUFACTURE」を立ち上げる。2016年より世界のアイウェアシーンで有名なアイウェアマガジン「V.MAGAZINE」、アイウェアエキシビジョン「V.O.S」の日本開催権を取得。ネコ・パブリッシングの協力により「V.MAGAZINE JAPAN」の刊行と、「V.O.S TOKYO」を開催する。2021年には日本発のスポーツサングラスブランド「XAZTLAN」を発表。2022年、メガネの「ホントにミニマムな国際展示会RAMBLE」を7年ぶりに復活。2023年、5坪のメガネ屋「陽ハ昇ル GROOVER×XAZTLAN」を表参道にオープンさせるなど精力的に活動中。
職歴
・メガネナカジマ代表
・陽ハ昇ル GROOVER×XAZTLAN オーナー
・GROOVERデザイナー
・GYARD主宰
・XAZTLAN(ザストラン)ファウンダー
・東京セイスターグループ理事
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