似合うメガネを選ぶ際に重要な「テイスト」とは?
さて、今回も似合うメガネの選び方についてお話しします。
前回、1つ目のポイントとして「自分に合うサイズを選ぶ」ことを挙げました。でも、試着をするなかで、サイズは合っているのに「何だか違う」と感じることもあるでしょう。なぜなら、「似合う」「似合わない」の判断基準には、その人がもつ雰囲気やキャラクター、全体のスタイリングを含めた「テイスト」が大きく関わってくるからです。
まずひとつに、メガネのデザイン自体が自分の好きなテイストであるのかという点。
サイズもピッタリで客観的には「似合う」ものであったとしても、掛けた本人が「このデザインは自分好みではない」「自分らしくない」と思えば、それは「似合わない」ものとして感じられるでしょう。
また、たとえば黒セルのボストンフレームを掛けて、「ジョニーデップみたいで狙い通り」なのか、「ジョニーデップを意識しているみたいでイヤ」なのかでは、本人の満足度は大きく違ってきます。たとえその姿が、他人から見ればハマっていたとしても。
これが、「何だか似合っている気がしない」と感じる原因の1つです。
最終的に「これまでの自分と違って、良い感じ♪」と思うことができれば良いのですが、違和感を抱えたままでは、人前で掛けることに気後れしたままになってしまいます。
解決策として、メガネを購入する前にある程度「自分の好きな感じのデザイン」や「なりたいイメージ」を整理しておくことが大切です。
幸い現在はネットで気軽に情報を得ることができます。気になるブランドがあればWEBサイトでコレクションが見られますし、Instagramで「#メガネ」などとタグを検索すれば、様々なデザインのメガネや着用画像を見ることができますからね。
そしてお店へ行ったら、気になるものをひたすら試着。好みのデザインや、なりたいイメージをお店の人に伝えて、いくつか提案してもらっても良いでしょう。そうしていろいろ掛けていくうちに、どんなテイストのものが自分にしっくりくるのかがわかってくるはずです。
全身鏡で、トータルバランスもチェックすべし
そして、もう一つの大切な点として、試着の際には必ず全身鏡でチェックすることをお忘れなく。というのも、メガネが自分の服装や小物などのテイストにマッチしているかも、似合うメガネ選びには欠かせない要素となるからです。
服装はフェミニンなのに、「無難だから」とシャープな横長スクエアを選んだり、トレンドだからと少々硬派なボストンフレームを選んだり……。手鏡で顔だけ見れば似合っていても、着ている服とのテイストが合っていないと、メガネが悪目立ちしてしまいかねません。
じつは、「メガネをお洒落に掛けているな」と感じさせる人は、自分の顔に合うものを掛けていること以上に、トータルでのバランスがお洒落であることが多いもの。それは服装のほかにも、髪型やメイクとの相性や、顔回りの小物との統一感であったり。こうしたテイストのバランスが取れていると、より一層“似合う”と感じられるのです。
それゆえ、メガネを買いに行くときは、いつもの自分らしいテイストの服を着て行くことをオススメします。髪を切って雰囲気を大きく変える予定があるのなら、メガネ選びはその後のほうが良いでしょう。
いやはや、また説明が長くなってしまいました……。テイストはサイズのように数値化できるものではないので、難しいポイントでもあります。ですが、ココを押さえておけば、これまで以上に似合うと思えるメガネに出会えるはずです。
伊藤 美玲
眼鏡ライター
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』『眼鏡Begin』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN』『文春オンライン』『めがね新聞』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆している。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』ではメガネの世界の案内人として登場。眼鏡の国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査委員も務める。
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