誰しも似合う人気のメガネ、ウェリントンを解説!
CHECK!!
はじめに
サングラスやメガネを新調しようと思ったとき、どんなデザインを選ぼうかと悩みますよね。そういうことに悩むことすらしたくない! というアナタも、メガネを掛けてカッコイイ自分になりたい! というアナタにもジャストフィットなフレームのカタチ。それがウェリントンです。今回は、オーセンティックなメガネデザインの代表格の一つであるウェリントンの魅力に迫ります。
ウェリントンのカタチと素材
ウェリントンフレームはフロントリム(=レンズを固定する枠)のカタチが逆台形型をベースとしたデザインが基本。リムの上方がやや角ばっており、下方に向かってやや丸みをもたせたフォルムが特徴です。厳密にこうでなければウェリントンではない、ということはないのでブランドによってさまざまなアレンジが加えられているのも魅力。
素材はプラスチックの一種であるアセテートで構成した、オールプラスチックがもっともスタンダードですが、チタンを中心とした金属をフレームすべてに用いたオールメタル、その両者を部分的に組み合わせたコンビネーションも人気です。
またコンビネーションにはフロントにプラスチック、テンプル(=ツル)にメタルを使ったものやその逆、リムのみプラスチックを用いてブリッジ(=左右のリムを繋ぐパーツ)とテンプルをメタルとしたものなど、さらに細分化されます。
ウェリントンフレームの歴史を紐解く
ウェリントンが台頭したのは1950年代のアメリカ。プラスチックフレームは1930年代にはすでにインジェクション製法で普及していました。しかし軍需産業を中心に第二次大戦時に、さまざまな物品が大量生産の利く合理的なシステムを構築したことで、戦後にそのシステムが一般市場に向けられます。プラスチックフレームもその流れに乗って市場を拡大します。
その先駆けとなったのは、ボシュ&ロムのアイウェアブランド、レイバンが1953年に発表したウェイファーラーです。その人気をしてプラスチックフレーム=ウェリントンと言っても過言ではないほど、その人気は急激に高まりました。
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また50~60年代に掛けて、A.O.(アメリカンオプティカル)からはJFKが愛用したサラトガ、ヴィンテージで不動の人気を誇るタートオプティカルはシーフェアラーなど、現代も古臭さを感じさせないタイムレスな傑作品が数多く輩出されました。
ウェリントンという名前は海外で通用しない?
欧米の眼鏡店で「ウェリントンフレームをください」と言っても通じません。いくら頑張ってネイティブのように発音しようともキョトンとされるだけです。実はウェリントンという呼び名は日本固有の、いわば和製英語なのです。
その名呼び名のルーツは、日本の戦後ファッションの創成期を築き上げた日本のアパレルブランド、ヴァンヂャケットが手掛けたアイウェアライン「アイヴァン」の商品名でした。ヴァンヂャケットといえば、スウェットシャツ➡トレーナー、ハリントンジャケット➡スウィングトップ、アワード(ヴァーシティー)ジャケット➡スタジアムジャンパーと、日本では馴染み深いファッションアイテムの呼び名を考案した造語の天才です。
ネーミングの由来はアメリカ東部の富裕層が集うリゾート地、フロリダ州の地名からではないかと思います。もう一方のオーセンティックデザインとして人気のボストン(こちらも造語です)が、ヴァンジャケットの標榜するアイビーリーガーの本拠地であるとすれば、フロリダのウェリントンは彼らのバケーションをイメージしたのではないでしょうか?いずれにしても、商品名がそのままカテゴリーとして定着しているなんて、すごい話ですね。※詳しくは過去記事を参照。
ウェリントンを掛けこなす
ウェリントンフレームは掛け手も掛けるシーンも選ばない、ものすごくニュートラルでタイムレスなデザインです。ウェリントンの優れているところは、逆台形型のデザインが眉毛から目尻のラインをキリッとさせ、精悍な顔立ちを印象付けてくれるので寝起きで顔に締まりがない時やメイクを時短したいときなど、本当に重宝するんです。
そして素材使いによってイメージを変化させることもできる優等生。オールプラスチックのウェリントンはカジュアル寄りの印象があり、メタルやコンビはやや上品なイメージがあります。カチッとしたビジネスには後者を、ドレスコードに縛りがないライフスタイルなら前者をというぐらいの線引きをしていれば間違いありません。
一点だけ気を付けなければならないのはサイズ感。自分の顔に対して大きすぎるとズレまくることはもちろん、子供っぽく見られるでしょう。また小さすぎると顔面にめり込んで掛け心地も見た目も窮屈。可能な限り試着を心掛け、ネット通販ではフレームサイズと顔のサイズのマッチングを熟考したいですね。
ウェリントンのおすすめフレーム
さてお待ちかねの、おすすめフレームのコーナー。オールプラスチック、オールメタル、コンビネーションから厳選した3本を紹介しましょう。
EYEVAN “Webb Sq”
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ウェリントンの名づけ親の直系となるアイヴァンの定番をベースに、ビル・エヴァンスのフレームにインスパイアされたモデル。ヴィンテージ同様に置き丁番でのカシメ技法や、キーホールブリッジなどを取り入れたクラシックな1本。
theo“Mille+54”
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クラシックなデザインもテオのセンスでポップに昇華、なオールメタルのウェリントン。見た目の派手さに躊躇しがちですが、掛けてみると意外にも顔馴染みが良いのが同ブランドの特徴です。小ぶりなサイズ感も現代的でミニマルなファッションとも相性良さそう。
pine “1038”
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磨きの行程をあえて行わないマットな質感のフロントに対して、繊細なチタン製テンプル&ノーズパッドを組み合わせたコンビネーションフレーム。カジュアルなウェリントンがゴールドカラーを纏うことで、上品さがプラスされています。
まとめ
いかがでしたか?アイウェアの基本中の基本、ウェリントンは時代に左右されることなく、ずっと使い続けられるデザインゆえ1本は必ず持っていたいところ。「似合うかな~」なんて臆することなく挑戦してください。絶対に似合いますので!!
実川 治徳
フリーランスライター
アパレルブランドの店長、プレスを経て2000年からフリーランスライターとして活躍。アイウェアやファッションに特化した記事をメディアに寄稿し続ける。2005年から眼鏡の専門誌として知られるワールドフォトプレス発行の「モードオプティーク」にて、アイウェアの国際展示会SILMのリポートを執筆し、世界中のデザイナーと親交を深める。2016年からはネコ・パブリッシングがバックアップする「V MAGAZINE JAPAN」の編集・執筆を手掛け、世界のアイウェアシーンを発信する。フリーランスのフットワークの軽さを活かし、現在はメガネブランド「GROOVER SPECTACLES」の北米向けセールス&プロモーションを担当。
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