「tonysame:」が考えるこれからのBtoBビジネスモデル

日本と香港をベースにもつ多国籍なアイウェアブランドとして、2010年に誕生した「tonysame:」。その日本法人であるtonysame:japanが業界に新たな風を起こすべく、新しいビジネスモデルの構築を目指していると言います。今回はtonysame:japan代表の細井氏にインタビューし、現在鋭意準備中だという、その計画の概要と意気込みを伺いました。

バイイングプラットフォームとは

tonysame:japan代表の細井礼さん(左)、デザイナーの塚本野乃花さん(右)


--まずはじめに、バイイングプラットフォームの概要について教えてください
tonysame:が目指している『バイイングプラットフォーム』とは、簡単に言えばさまざまなブランドを提供するBtoBの仕組みです。
取り扱うブランドとしては、小顔女性向けブランドの「trico」、未来的なデザインが特徴の「SPACETRIBE」という既存ブランドの他に、今年中に発表予定の新ブランド。そして、社外の国内外のブランドも取り扱うことで、まるでセレクトショップのような卸し業態の設立を目指します。

キャプション/「お顔の小さな女性」のために生まれたメガネブランド「trico」。

 
--普通のメガネブランドのビジネスモデルとは、全く違う形になりそうですね
面白いのは、WEB上のVR空間を用いたプラットフォームを形成することで、リアル空間での場所も、それに伴う移動のコストも不要になっている点です。これによって削減できる時間や出費をモノ創りに投資できますし、ある意味限られたリソースで大きなパイに対してのブランドを投下していくというのが、今考えているところです。
目指すバイイングプラットフォームは、自社以外の会社でも使える形式。必要とする会社には月額のサブスクリプションで提供していくことも視野に入れています。業界のDX化を推進し、日本の眼鏡業界を盛り上げるお手伝いができれば嬉しいですね。

 

社外デザイナーたちとシナジーを生み出す


--新ブランドの立ち上げというのも気になるところです
毎年どこかで新しいデザイナーズブランドが誕生しているのですが。原価高騰の流れもあり、高付加価値ではあるものの、販売価格も同時に上昇しています。高単価高付加価値のブランドを扱える小売店は業界全体としては少なく、そこに大きな壁があるという現実もあるんです。そこで僕たちが思ったのが、新興ブランドのデザイナーさんたちと積極的に繋がることでした。高単価・高価価値のブランドを作っている人たちにとってのビジネスは、あくまで取引先を絞るというのがセオリー。だけど僕は、それだけでは勿体無いと感じていて、その人たちの才能をもっと多くの人に届けるということは価値があると考えたんです。


--その取り組みができれば、双方がWin-Winの関係が築けそうですね
そうなんです。すでに何名かと話を進めていて、これまでと違ったビジネスモデルに私と一緒に挑戦しませんか?とお声がけしている段階なんです。
この発想に至ったのは、私たち自身がこの5年間くらいで旗艦ブランド以外の展開も始め、OEMをやってきた実体験にあります。多角的な視点で市場に向き合うことで沢山のノウハウが得られると確信が持てたので、デザイナーさんが同じような経験をされたら、業界にとってもプラスになると思うんですよね。

 

人生をかけて悔いのない業界を

メガネ業界は保守的な面が強いと感じることもあります。今までのやり方だとずっとやり方は変わらない。むしろ勢いがなくなっていく未来さえ見えてしまいます。でも若い人材や、自分自身が人生をかけて悔いのない業界にしないいけないのは事実。ならば僕たちがまずやってみて、これまでの業界を支えてきた会社、これから業界を担っていく若い力とコネクトしてチャレンジする。まずは私たち自身が変化を起こしていきます。

 
 
【information】
tonysame: japan
東京都港区虎ノ門1-2-11 ザ・パークレックス虎ノ門8F
03-5860-9662

 
 

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