THOROGOOD by 1080
別冊Lightningの「傑作シューズオールインプレッション」の取材を頂いた時に、THOROGOODが取材対象になっていた事で頭の片隅にあったルーファーブーツを思い出しました。
働き出した頃にアメカジを教えてくれた先輩が、渋谷のバックドロップでプレゼントしてくれたものです。
数年に一度も履かない少しチープ感のあるブーツは、ブーツ初心者な登竜門の時期を超えてしまうと役割を終えてしまいます。
役割を完全に終えていたTHOROGOODには思い入れがあったので、今まで手放さずにいました。
ソールはバイクのマフラーに触れて溶けてしまい、ドロドロで履ける状態ではありませんでした。
取材をキッカケに修理したいと思っていましたが、THOROGOODを修理するの?的な気後れ感があります。
モヤモヤしている所に福禄寿の奥山くんから電話があり、用件を聞いた後に思い切って頼んでみたところ、
「OK。いい感じにチープに仕上げるよ」 との事。
そーなんです。そんな感じにしてくれるのが理想なんです。
グリーンのシャークソールにすることは決めていたので、それ以外は全てお任せ。
出来上がりは予想を上回っていました。
フレームとレンズをカスタムする眼鏡店は非常に少なく、仕事を初めた当時、自分がお手本に出来たり真似できるお店がありませんでした。
オードビーの佐藤さんにカスタムレンズの入門編を教えて頂き、自分の目指す世界を今でも追っかけています。
そんな世界を夢見て作ったランプアイが、多くの方に評価されるまで10年以上掛かってしまいました。
昨今、偏光レンズへカスタムする眼鏡店は比較的増えているようですが、目指しているのはそこではありません。
オリジナルより格好なり機能がUPしないとレンズをカスタムする意味がありません。
度付や度なしに関わらず、フレームの雰囲気とレンズカラー、掛けている人のパーソナリティーをFIXさせることを目指しています。
これは度数の決め方にも影響していて、フィッティングを含めて全てがセットです。
奥山くんと出会って10年以上の月日が経ちますが、私にカスタムのインスピレーションを唯一もたらしてくれる存在です。
0→1にするクリエーションとは違った感覚を研ぎ澄ませてくれます。
中島 正貴
有限会社スクランブル 代表取締役
1999年にメガネ業界に入る。新宿の紀伊国屋にあった三邦堂(閉店)でドイツ式両眼視測定を学ぶ。2006年よりメガネブランド「GROOVER」を立ち上げ、国内外の展示会へ出展する。2011年より世界初のレンズカスタムレーベル「GOODMAN LENS MANUFACTURE」を立ち上げる。2016年より世界のアイウェアシーンで有名なアイウェアマガジン「V.MAGAZINE」、アイウェアエキシビジョン「V.O.S」の日本開催権を取得。ネコ・パブリッシングの協力により「V.MAGAZINE JAPAN」の刊行と、「V.O.S TOKYO」を開催する。2021年には日本発のスポーツサングラスブランド「XAZTLAN」を発表。2022年、メガネの「ホントにミニマムな国際展示会RAMBLE」を7年ぶりに復活。2023年、5坪のメガネ屋「陽ハ昇ル GROOVER×XAZTLAN」を表参道にオープンさせるなど精力的に活動中。
職歴
・メガネナカジマ代表
・陽ハ昇ル GROOVER×XAZTLAN オーナー
・GROOVERデザイナー
・GYARD主宰
・XAZTLAN(ザストラン)ファウンダー
・東京セイスターグループ理事
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