メガネのウェリントン、ボストンってなんだ?違いは?

多少なりともメガネに詳しい方の間では、「ウェリントン」やら「ボストン」とメガネの形を呼んだりすることがあります。例えば、丸メガネを「ラウンド」と呼んだり、レンズの形が楕円形であれば「オーバル」などと呼びまして、何となく名称からその形を想像することが出来るのです。しかし、あまりメガネに詳しくない方ですと「ウェリントン?」と「ボストン?」と言われても、そのメガネの形を思い浮かべることは不可能ですね。アメリカの都市ですか?と思われるでしょう。しかしメガネの関係界隈では、マストに知っておく必要のある単語と言えます。

 

そもそもウェリントン、ボストンってどんな形だ?


四角いスクエア型のレンズの形を「ウェリントン」と呼びまして、レイバンの不朽の名作”ウェイファーラー”はウェリントンに属されるのではないでしょうか。



そして丸みを帯びた逆三角形型のおにぎりシェイプを「ボストン」と呼びます。

ちなみに横長の長方形のスクエア型は「レキシントン」と呼ばれました。なぜだか分かりませんが、レキシントンだけ定着しませんでした。
今となっては「ウェリントン」や「ボストン」はレンズの形を指しています。本来はモデル名だったのですが、詳しくは後ほど。

 

誰が名付けたのか?


先日、アイウェアジャーナリスト実川治徳さんがbootの記事で書かれていた”ビジネスを成功に導くメガネの選び方“にヒントがありました。記事の中で”日本のファッション界の礎ともいうべき「VAN」のアイウェアラインという出自を持つ「EYEVAN(アイヴァン)」”という箇所なのですが、1960年代に流行したアイビーファッションにルーツがあります。

 

「VAN」は1951年に石津謙介氏によって立ち上げられた、ファッションブランドです。アイビーファッションと呼ばれたそのムーブメントは1960年代に空前の大ヒットとなり、近年もファッショントレンドになっていたのは記憶に新しいところです。そんな伝説的な「VAN」のアイウェアラインが「EYEVAN(アイヴァン)」だったのです。

その後、1970年代にEYEVANのデザイナーだった山本哲司氏が、逆三角形型のおにぎりシェイプを「ボストン」、四角いスクエア型には「ウェリントン」と名付けたメガネを発売したと1987年に出版されたと”THE GLASSES”に書かれていたと記憶しています。

なので完全なる日本固有の呼称ですから、欧米では通用しません。ただアジア圏ですと通用することもあります。

EYEVANのセカンドラインで名付けられた!?

*ヴィンテージのアイビーリーガーズ 出典元:ヤフオク

色々と調べてみると、「ボストン」「ウェリントン」はEYEVANのセカンドラインとして発売された「アイビーリーガーズ」というブランドから出されたモデルだったそうです。
これは1970年代中頃のことで「VAN」は1978年に倒産してしまいますから、アイビーファッションの最末期に誕生したメガネなのです。そう考えると、およそ半世紀も愛されている「ボストン」と「ウェリントン」なのであります。

この2つのスタイルは色々と派生系などが存在していて、明確な定義付けはないのですが覚えておいて損はないと思います。
メタルやプラスチックとメタルのコンビネーションフレームであっても、レンズシェイプから「ボストン」や「ウェリントン」と呼ばれます。

山本哲司氏はモデル名として誕生させた「ボストン」と「ウェリントン」ですが、後世へ語り継がれる大ヒットモデルを生み出したわけですね。また「レキシントン」が存在していたように。またメガネの形には「オーバル」や「ラウンド」なども存在しております。

 



 

 

 

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