毎日、メガネ屋 2023.06.12~メガネ屋を一軒作っていました~

久しぶりに「毎日、メガネ屋」を書いています。
コロナウィルスの感染拡大も落ち着き、皆様もご不自由な生活から少しづつ解放されてきているかと思います。

私も今春4月1日より表参道に「陽ハ昇ル GROOVER×XAZTLAN」という、自社製品を販売するメガネ店を開店しました。知人のご厚意によって物件を借りて出店することが出来たのですが、5坪ながらのお気に入りの空間を手に入れました。この”5坪”のメガネ店は、私が目指していた理想の形なのであります。

アメリカで見た小さなサングラスショップが原点

高校を卒業した翌日から私はジャカルタへ旅に出たり、少しの間だけバックパッカーで世界中を旅していました。20代に数回アメリカを旅しました。広大なアメリカをイメージすると意外ですが、実は小さいお店が沢山あるのです。よく考えれば、ニューヨークのような大都会では当たり前ですね。ニューヨークにもロサンゼルスにもフェニックスにも”グッとくる”ナイスショップを見つけることが出来ました。20代に旅していた頃はカフェはそれほど多くありませんでしたが、今で言うところのカフェのようなお洒落で小さいお店が好きでした。そんな”狭小店舗”の魅力は、アジアでは群を抜いて香港が一番面白かったです。

アメリカや香港には2~5坪くらいのサングラスショップもまぁまぁあって、逆に日本には無いくらいのサイズ感です。それこそ香港の九龍サイドとかにはあるような、とても不思議なサイズ感のお店に憧れを持ちました。「これで良いんだ!」と随分前に割り切って考えていたのですが、実現するまで20年の歳月が掛かりました。

 

サンタモニカの”Fred Segal”内にあったサングラスコーナーに痺れた


今では珍しくありませんがその当時、アメリカのアパレルセレクトショップは日本にあまり出店していなくて、ネット通販なんてものも無くてバイヤーの買い付けを日本で待っている状態でした。90年代のMaxfieldの流れだと思いますが、2000年初頭くらいでもそのセレクトはカッコ良かった。

ロサンゼルスのセレクトショップの一つにFred Segalというお店があって、2坪くらいのサングラスのショップインショップみたいなコーナーがあったんです。うる覚えですが2003~4年頃。今はもう少し大きく展開しているかもです。

アメリカでは度付メガネ・サングラスを作る際に、オプトメトリストという国家資格を有しているスタッフが常駐している必要があります。誰でもメガネを作れてしまう日本とは異なり、アルバイトが簡単に測定して作るわけにはいきません。日本にも眼鏡作製士という国家検定がありますが、業務独占の国家資格ではありませんので持っていなくても問題ありません。アメリカのオプトメトリストというと、かなり権威のある資格で保守的なイメージがあるんですが、Fred Segalにいたオプトメトリストは髭面にタトゥーが両腕にビッシリと入った強面スタッフ。
これはカッコ良かった。

残念ながら今ではFredSegalに当時のようなカッコよさはありませんが、日本のメガネ店には今もないハードコアスタイルが強烈でした。

メガネ屋「陽ハ昇ル」をやっと創りました&まぁまぁセルフビルド


そんな20代で憧れたメガネ屋像を実現すべく、東京・表参道に「陽ハ昇ル GROOVER×XAZTLAN」という5坪のメガネ店を今春オープンさせました。
内装は出来る限り自分でやりまして、友人・知人の力を借りて作り上げております。もはや私自身のアトリエのような店と化してきており、日々色々な変化があります。


陽ハ昇ルではレンズのカスタマイズがすぐ出来るよう、レンズ加工機をインストール済み。完全マニュアルなドイツ式両眼視測定も行っています(要ご予約)。自分が思い描くストロングスタイル全開です。

陽ハ昇ルにいると「師匠の店も5坪だったなぁ」と思うことがしばしばあり、これをやらないと死んでも死にきれなかった。この先、また新しいコンセプトの店もやりたいなと考えていますが、まずは陽ハ昇ルを気持ちの良い空間にしたいと思っております。

お近くにいらした際は是非お立ち寄りくださいませ。

陽ハ昇ル GROOVER × XAZTLAN
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前5-39-12
☎︎ 03-6427-1665
https://www.instagram.com/hiha_noboru_groover_xaztlan

 

毎日メガネ屋」はnote.でも連載中です。

 

 

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