外出しにくい今こそ、知っておきたいメガネの正しい取り扱い方
各地域に緊急事態宣言が発令され、なかなか外出しにくい現在。メガネ屋さんに行くことを遠慮してしまっている人もいるかもしれません。とはいえ、前回のコラムでも書きましたが、メガネがズリ下がってきている状態をそのままにしていると、“見た目”にも“見え方”にも影響を及ぼします。なるべくなら、早めに対応したいところです。
では、そもそもなぜメガネが歪んだりレンズに傷がついたりしてしまうのか。じつはその一番の原因は、日々の取り扱い方にあると言われているんです。
まずは、メガネを掛けているのであれば誰もがしているはずであろう「掛け外し」の動作。あまりに基本の動作であるため無意識に行なっている人も多いかと思いますが、必ず心掛けたいのが、“両手で行なう”ということです。きちんと両手で左右それぞれのテンプルを持ち、少し持ち上げるようにして耳から外して、そのまま真っ直ぐ前に引き出します。
片手で外してしまうと、片側のテンプルばかりに負荷がかかり、次第に外側に広がってしまうことに。その歪みが、メガネがズリ落ちてしまう原因となるわけです。それゆえ、毎回きちんと両手で掛け外しするだけでも、だいぶ型崩れを防ぐことができるでしょう。
でも、どうしても片手しか空いていないときもありますよね……? そんなとき私は、フロント中央付近のフチを持って前に引き出すように外すことで、なるべくテンプルに負荷をかけないよう心掛けています。
メガネの置き方にも注意を
メガネを外したときは、ケースに入れて保管するのが大前提。ですが、一時的に外したときなどは、いちいちそうもしていられないですよね。そうした場合は、メガネをたたまずテンプルを開いたまま、フロントの上側が下になるように上下逆に置くのが良いのだそうです(トップ画像参照)。
パっと見た感じは無造作に置いたように見えなくもないのですが、テンプルが下側になることで置いたときに安定感が出ます(アンダーテンプル気味のものなどは例外として)。また、レンズが縦向きになることで、万が一メガネの上にモノが落ちてしまうなど上から力が掛かっても、レンズへのダメージを抑えることができるというわけです。
レンズに傷がついてしまい視界に影響を及ぼすようならレンズ交換は止む無しなので、保管方法には気を付けたいところです。
こうした取り扱い方法を日々意識するだけで、メガネの持ちは変わってきます。どちらも簡単なことなので、ぜひ実践してみてください!
伊藤 美玲
眼鏡ライター
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』『眼鏡Begin』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN』『文春オンライン』『めがね新聞』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆している。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』ではメガネの世界の案内人として登場。眼鏡の国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査委員も務める。
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