東海光学の遠近両用レンズ「ニューロセレクト」を使ってみた

みなさん、スマホ見えていますか?
先月からbootのYouTubeチャンネルで、もうガンバラない老眼バラエティ「スマホ見えていますか」がスタートしましたが、かくいう私も「見えていますか?」と聞かれれば怪しくなってきた感じがあり……。そこで今回はレンズメーカー、東海光学さんにご協力をいただき、遠近両用レンズ「ニューロセレクト」を試してみることにしました。

 

サポートレンズは使っていたけれど……

まずは、私のメガネ遍歴からお話ししましょう。
私は小学生の頃から近視があり、メガネを常用しています。いわゆる強度近視と言われる度数です。手元の見え方については早くから対策をしていて、30代半ばからサポートレンズ(近方のピント調節をサポートしてくれるレンズ)を使用してはいました。とはいえ、一方で単焦点レンズも問題なく併用できており、手元の見えづらさはほとんど感じていませんでした。

変化が出てきたのは、42歳頃から。まずメガネのテンプル裏に書かれた品番が読みづらくなってきました。「これは3なのか、8なのか……?」という具合に。そして45歳に突入したぐらいからますます見えづらくなり、スマホは眼鏡を外してみることも増えてしまい……。強度近視なのでメガネを外せば近くは見えるわけですが、それも何だか格好悪いので遠近両用を新調することにしました。

 

東海光学「ニューロセレクト」とは?

私が試すことになったのは、東海光学の「ニューロセレクト」という製品。こちらは、脳科学技術をレンズ設計に取り入れ、より良い見え心地を追求したという遠近両用レンズです。

このニューロセレクトには、以下の3つのタイプがあります。


遠近タイプの【デイリー】、中間重視の遠近タイプである【タウン】、そして中近タイプの【ホーム】の3つです。これらは、自分のライフスタイルのなかで“主にどこを見たいか”で選ぶことになります。

私は、タイプによる使用感を確認するため、「デイリー」と「タウン」の両方を試すことにしました。グレードはどちらも5X。加入度数は思い切って+1.50まで上げました。これまで主に使っていたのは+0.75のサポートレンズや+1.0の遠近なので、ちょっとドキドキしますが……。果たして見え方はいかに!

 

タイプによる見え方の違いを実感

まず最初に出来上がったのは、デイリータイプのほうでした。パンフレットには、「ドライブやスポーツでクリアな視界 遠近タイプ」とあります。掛けてみてスマホを見ると、SNSの小さな文字もくっきりして、とっても見やすい。今までも文字が問題なく読める程度には見えてはいたけれど、文字の輪郭がパキっとして立体感が出た感じ。くっきり見えるとやっぱりラクなのだなぁと改めて感じました。

でも、ふと顔を上げると、なんだか家の中(3~4mぐらい先の距離)に、若干ボヤけて見えるところがあるような気がしました。「もしかして、これがユレ・ユガミというやつなのか?」と思いつつも、その数日後にあった子どもの運動会へは、このデイリーを掛けて行ってみることに。

結果的に、運動会にデイリーというチョイスは、大正解でした。見えづらかった右目の度数を上げたこともあり、とにかく遠くの子どもがよく見える。そしてそのまま視線をスマホやビデオカメラのモニターに落としても、これまたくっきりよく見える。室内で感じたユレ・ユガミは屋外では一切感じることもなく、何の違和感もないまま運動会の1日を過ごすことができたのです。

これまでのサポートレンズが、「全体的に85点な見え方」だったとしたら、このデイリータイプは、「遠くと近くの見え方は100点!」という感じ。私は遠くも近くもバチっと見える視界が好きなのだなと改めて感じました。車の運転をしないのでそこまで遠くが見える必要はないと思っていたのですが、子どもの運動会や発表会、またスポーツ観戦や観劇といったシーンでは、デイリーが向いているのではないかと思います。

室内の見え方や、パソコンの距離はちょっと見え方に慣れない感じがありましたが、使い続けているうちに中間部のユレ・ユガミのようなものは消え、今ではデイリーでパソコン作業をすることもできるようになっています。ちなみに、よく遠近両用を掛け始めると「階段が怖い」という話を聞きますが、足元の見え方についてはまったく問題ありませんでした。

 

パソコン作業は「タウン」に軍配

そうこうしているうちに、今度はタウンタイプを入れたメガネが完成。ドキドキしながら室内を見回すと……、デイリーのときに感じていたユレ、ユガミらしきものが無い! これにはびっくりしました。タウンは1.67で、デイリーは1.76で作ったという違いからなのか、デイリーを使っていたことで目が慣れてきていたからなのか、最初からすっと違和感なく掛けることができました。

タウンは中間重視というだけあり、パソコンの距離はやはりこちらのほうが見やすい。首を動かしても、ある程度姿勢を変えても問題なく見ることができました。
また、タウンでも遠くが見えないわけではありません。遠方の看板をパキっと見ることは難しいですが、駅の行先案内表示や、スーパーマーケットの商品棚、カフェのカウンターの上に掲げられているメニューなども問題なく見ることができるので、日常生活に支障はありません。仕事でパソコンを使う時間が長い日や、あまり遠くを見る必要のない日常生活においては、タウンのほうが快適かなと。

ただし、デイリーで外出することに慣れてしまった私にとっては、少々遠くの見え方にもの足りなさを感じる時もあります。これに関しては、見え方の好みにもよるかもしれません。

 

遠近両用を作る時に知っておきたいこと

今回遠近両用メガネを作ってみて感じたことがあります。
それは、遠近を作るときは単焦点の時以上にお店の方とのコミュニケーションが重要になるということです。見え方の好みや、その人のライフスタイルによって必要な度数、タイプ、グレードは異なるから、「これが正解」というものは測定だけでわかるものではありません。

その際重要なのは、私たちユーザー側も「どこを見る機会が多いのか」、「どう見たいのか」、「どんなシーンで使うのか」をしっかり伝えること。お店に行けば自動的に正解がもらえるわけではないのです。快適な遠近両用を作ることは、お店の方としっかりコミュニケーションを取り、お互いに納得できるところを探っていく共同作業のようなものであると私は感じました。

良い眼鏡屋さんであれば、測定結果に加え、私たちのニーズを加味して、レンズのメーカーや製品、設計のタイプ、グレードを選んでくれます。私たちユーザーは、テストレンズの入った仮枠で視界の確認をする際に納得いくまでスマホや遠くの景色、普段使っているパソコンを想定した距離などをチェックして、しっかり要望を伝えるようにしたいところです。

以上、長くなってしまいましたが、東海光学のニューロセレクト、とても快適に使えています。「遠近は使いづらい」なんて話も聞きますが、恐れることなかれ。私の周りは快適に使えている人ばかりです。手元が見えづらくなってきたら、ぜひ眼鏡店に相談してみてくださいね。

 
 

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