-光過敏とサングラス②- 光過敏対策としてのサングラス選び

さて、前回は私が光過敏になった経緯についてお話ししました。
現在もサングラスが欠かせませんが、眼鏡ライターという仕事をしている私でも、日常的にサングラスを掛けることのハードルの高さを感じることがあります。

また、X(Twitter)で「光過敏」と検索すると、「自分はサングラスが似合わないから」と着用を諦めているような発言も見られます。というわけで、今回は日常的に使用しやすいサングラスの選び方についてお話ししたいと思います。

 

 

毎日使うことを考えてフレームを選ぶ


一般的にサングラスというと、“夏だけ使う”、“スポーツやアウトドアレジャーのときに使う”という人が多いため、デザインが大ぶりで華やかだったり、またはスポーティだったりするものが目立ちます。ですが、光過敏対策となれば季節を問わず毎日、そして1日中使用したいという方も多いでしょう。そのため、最初の1本はどんなシーンでも掛けやすいベーシックなデザインのものを選ぶことをおすすめします。

最初からカラーレンズが入った既成のサングラスもありますが、眼鏡フレームとして販売されているものにカラーレンズを入れて使うことも可能です。これならフレームのデザインやサイズのバリエーションが広がるので、気に入ったものを選びやすくなります。もし気に入っている眼鏡があるなら、それと同じデザインにカラーレンズを入れるというのも手です。サングラスに苦手意識がある人でも、眼鏡の延長で掛けられるので取り入れやすいでしょう。

 
また、「サングラスが似合わない」と感じる原因のひとつには、「自分の髪型や服装に雰囲気が合っていないから」という理由が挙げられます。顔型との相性ばかりにとらわれず、“自分の普段の着こなしに取り入れやすいデザイン”であるかどうか、ぜひ全身鏡でチェックしてみてください。気に入ったデザインがあるなら、それに合わせて前髪を切る、いつもと違うヘアアレンジにしてみるなど、ちょっとしたことで顔馴染みが向上することも。女性ならメイク、男性ならヒゲも印象を左右するかもしれません。「自分はサングラスが似合わない」と諦めず、お洒落を楽しみながら“掛けたいサングラスに自分を寄せる”工夫もしてみてくださいね。

 

光過敏に適したレンズカラーはある?


さて、前回の記事で私は「青いレンズの眼鏡を使っている」と書きましたが、必ずしも光過敏の人にとって青いレンズが有効であるとは限りません。私は、何種類かのカラーをサンプルで試したうえで青を選んでいます。決め手は、青いレンズ越しの景色が心地く感じられたから。私の場合眩しさによって見え方に支障をきたすわけではなかったので、視界の心地よさでカラーを選びました。

カラーレンズを使用すると、視界がつねにその色に染まります。そのためこの“心地よさ”は案外重要です。必ずテストレンズでカラーによる視界の違いを確かめてから決めることをおすすめします。

 

見え方、見られ方を左右するカラー濃度

カラーが決まったら、次に選ぶべきはカラー濃度です。この濃度は眩しさを抑える程度に関わってくるのに加え、見た目の印象も大きく左右します。
じつはサングラス特有の威圧感というのは、この濃度が大きく関係しています。キモとなるのは、“目元が透けるか、透けないか”。目元の表情が見えることで印象は大きく変わり、顔馴染みも向上するというわけです。

もちろん眩しさを防ぐためにはカラー濃度が濃いほうが好ましいのですが、光過敏の方の場合は1日中、そして室内でも掛けていたいという方も多いと思います。とくに度付きで使用するならば“暗いところでは外す”ということができないため、あまり濃すぎないほうがよいでしょう。

私はこれまでいろいろな濃度でサングラスを作ってきましたが、1日中常用するなら25~35%がちょうど良いと感じています。晴れた日の屋外については、50%ぐらいあると快適、といったところでしょうか。以下に個人的な使用感と見た目の違いについて解説していきます。

〈カラー濃度25%〉

見た目は“ちょっと色のついた眼鏡”という印象で、カラーレンズ初心者でもトライしやすいのが25%です。夜でも屋内でも視界が暗くなり過ぎる感じはなく、パソコンやテレビの眩しさを抑えるにもちょうどいい濃度だと言えるでしょう。夏の晴れた日には少々物足りなさを感じますが、日常生活における眩しさはある程度抑えることができるので、常用するにおすすめです。(夜間運転に適合するかどうかは、必ずお店に確認するようにしてください)

 
〈カラー濃度35%〉

35%になると、見た目は“色付きの眼鏡”から“サングラス”という印象に。とはいえ、目元はしっかり透けるので威圧感はなく、夜間や室内でも使えるので、こちらも常用に向く濃度だと思います(夜間運転はNG)。私は濃度35%のグリーンで度付きを作っていますが、問題なく1日過ごすことができます。ただし、やや照明を落とした室内だと「ちょっと暗いかな?」と感じることもあります。

 
〈カラー濃度50%〉

濃度50%は目元がギリギリ透けるぐらいの濃度です。威圧感が出づらく、それでいて眩しさもだいぶ抑えられる濃度だといえるでしょう。目元が見えるので運動会や遠足の付き添いなど子どもの行事に参加するときも掛けやすく、帽子と合わせて使っても怪しく見えづらいので屋外レジャーでも活躍します。
室内に関しては、外光が入るカフェや電車やバスのなかでは問題なく使え、私はこの濃さで本やスマホを見るにも困ってはいません。ただし、外光の入らない屋内では見えづらさを感じるため外してしまうことが多いです。そのため、度付きで1日中常用するのは少々難しいかなと個人的には感じます。

 

せっかく掛けるならお洒落も楽しんで!

濃度による見え方や見た目の印象の違いについて、伝わったでしょうか? 日常的にサングラスで眩しさを防ぎたいのなら、とにかく最初の1本目はどんなシーンでも使いやすいデザイン&レンズ濃度で作るのがポイント。毎日使うものなので、掛け心地が良いものであることも重要です。

“光過敏対策”と、必要に迫られてのサングラス選びという人もいるかもしれませんが、せっかく掛けるならばお洒落も楽しんでほしいと思います。好きなデザインを堂々と掛けていれば、不思議と自分に馴染んでくるものです。間に合わせで済ませず、ぜひ毎日掛けたくなるようなお気に入りの1本を作ってみてください。

 
 

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