似合うメガネを選ぶために大事な3つのポイント
メガネを購入しようと思ったら、まず知りたいのが「似合うメガネの選び方」でしょう。
メガネの選び方というと、「丸顔の人は、スクエアなど直線的なものを」といった顔型別の指南を思い浮かべる人が多いと思います。それを証拠に、「私の顔にはどんな形のメガネが似合う?」と友人から質問されることは多いし、雑誌やWEBメディアからも「顔型別にメガネの選び方を教えてください」といった企画の依頼をいただくことも少なくありません。
でもね、これまで何度も言ってきたことなのですが、私はこうした顔型別の指南はあまり意味をなさないと思っています。だって人の顔もメガネの形も、丸や四角などとはっきり分類できるほど単純なものではありません。それに同じような顔型の人でも、目や鼻といったパーツの位置や大きさによってそれぞれの個性があるし、ひと言で丸メガネといっても、素材や色使い、サイズなどでその印象は大きく変わりますからね。だから、顔型だけに囚われる必要はないんです。
むしろ、このセオリーがあることでメガネ選びが窮屈に感じられるし、「自分の顔に合う形を選ばなくては!」というプレッシャーを生んでしまっている気がしてなりません。だって、「あなたの体型には、タイトスカートが似合います」と言われても、いろいろなものを着たいじゃないですか。
では、何を基準に選んだらいいのか? 語りだせば長くなるのですが、簡潔にお伝えするためにポイントを3つに絞ります。それは、
S サイズ
T テイスト
O オケージョン
です。メガネは視力矯正器具ではありますが、今回はあえてレンズの話は抜きに「似合う」ということだけにフォーカスをして話をします。
サイズが合えば、どんな形も好バランスに
まずは、最初のサイズについて。似合うメガネを選ぶためには、サイズ感が重要なポイントとなります。では、“自分に合うサイズ”とは何が基準になるのか。
基本的には「掛けた時、レンズの中央にそれぞれの黒目(瞳孔)がくるもの」が自分に合ったサイズとなります。じつはサイズが合えば、顔型に関わらずどんな形でもバランスよく掛けられるんです。
ちなみに、メガネにはテンプル(つる)の裏側にサイズが表記されていて、「53□16」と書かれていた場合、単位は㎜で、53が片眼レンズの幅、16がブリッジ幅(両レンズの間の鼻の部分)となります。
また、レンズの横幅に対してだけでなく、縦幅に対しても黒目が中央~中央からやや上にくるのがベストです。ただし、これはサイズより“掛け位置”に起因することが多いので、試着の段階でズレていても、フレームを自分の顔に合わせて調整してもらえば解決できることが多いでしょう。
サイズの話をすると、「これまで意識したことなかった!」と驚かれることもしばしば。メガネは洋服のように同じモデルでS、M、Lのようなサイズ展開があることが少ないので、「自分に合ったサイズを選ぶ」という感覚が、浸透しにくいのかもしれません(※)。
「何をかけても似合わなくて……」と悩んでいる人は、もしかしたらサイズ選びに要因があるのかも。メガネを購入する際は、ぜひサイズを考慮しながら選んでみてください。残り2つのポイントについては、次回お話しすることにしましょう。
※ブランドによってはサイズ展開のあるモデルがあったり、パーツごとにサイズを選んでカスタムオーダーできるものもあります。
伊藤 美玲
眼鏡ライター
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』『眼鏡Begin』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN』『文春オンライン』『めがね新聞』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆している。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』ではメガネの世界の案内人として登場。眼鏡の国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査委員も務める。
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