メガネの曇り止めを使うその前に、必ずしておきたいこと
つねにマスクを着用することになり、メガネユーザーには欠かせなくなった曇り止め。テレビやネットメディアで取り上げられる機会も増え、メガネ屋さんのみならず、ドラッグストアでも目立つところに置かれるようになりました。
これだけ多くの人が曇り止めを使うようになった現在。ひとつ気になることがあるんです。それは、「みなさん、曇り止めを使う前にレンズをきれいにしていますか?」ということ。そう、曇り止めは、レンズをきれいにしてから使ったほうが良いのです。
その理由のひとつは、曇り止めの効果が高まるという点。そもそも曇り止めは、成分がレンズ表面をコーティングすることで作用します。きれいなほうが成分がより定着しやすくなるため、効果の持続性が高くなるんですね。
「クリーナーと両方の効果を兼ねたタイプなら、そのまま使って良いのでは?」と思う方もいるでしょう。たしかに、ウェットシートタイプには、クリーナーと曇り止めの機能を兼ねているものも多いです。ですが、使用上の注意をよく見てください。“レンズに砂などが付いている場合は、取り除いてから使う”ように書いてあるはずです。
そう。じつはレンズには細かな砂やチリ、花粉などが気が付かないうちに付着しています。それゆえ、そのまま拭いてしまうとレンズを傷つけてしまう恐れがあるんです。ジェルやスプレータイプの曇り止めを使うときも、レンズ表面に成分を馴染ませている際、一緒に砂をこすり付けてしまっているかもしれません。
CHECK!!
メガネの正しいクリーニング方法とは?
自らレンズに傷をつけてしまうなんて、絶対に避けたいところ。というわけで、メガネのクリーニング方法を改めておさらいしておきましょう。
先ほども触れたように、レンズ表面には砂やチリなどが付着しています。それゆえ、いきなり乾拭きはNG。まずは水洗いで汚れを落としてください。レンズは熱に弱いので、お湯ではなく水で。天然素材の場合、素材によっては水洗い不可なので注意が必要です。
“皮脂などの取れにくい汚れには、台所用の洗剤を使いましょう”という記述をよく見かけますが、これには少し注意が必要です。中性洗剤であれば問題ないのですが、最近の台所用洗剤は、弱酸性だったり弱アルカリ性だったりするからです。使用前にパッケージ裏の液性を確認してくださいね。メガネ専用のクリーナーを用意しておけば、そうした心配なく使えます。
水洗いや洗剤で洗ったあとは、ティッシュや柔らかい布などでしっかり水分を拭き取りましょう。濡れたまま放置すると、レンズに水滴の跡が残る“水やけ”や、メタルパーツの錆などの原因となる恐れがあります。
また、メガネ全体をくまなく拭くために、メガネ拭きは大きいほうがベターです。メガネを購入した際に付いてくるものは、メガネケースに入れることを考慮したサイズになっているので、必ずしも使い勝手が良いとはいえず……。自宅でのケア用には、ハンカチ程度の大きさのものがあると便利です。
ちなみに私は、毎朝泡スプレータイプのクリーナーでレンズ&フレームを丸洗いして、曇り止めをつけるのがルーティンに。すっかり習慣になっているので、逆にケアしないと気持ち悪くなるぐらい(笑)。
メガネは顔の中心に位置しますから、汚れや曇りは見た目の印象も左右します。しっかりケアして、クリアな視界をキープしましょう!
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伊藤 美玲
眼鏡ライター
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』『眼鏡Begin』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN』『文春オンライン』『めがね新聞』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆している。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』ではメガネの世界の案内人として登場。眼鏡の国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査委員も務める。
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