偏光レンズを語る 第4回 [POLATECH-ポラテック-]


偏光レンズの中でも日本のレンズメーカー「HOYA(ホヤ)」社の偏光レンズは少し変わっています。
偏光フィルムを使用しない新テクノロジーを用いたコーティング方式の偏光レンズで、非常に興味深い技術が使われています。
第4回目は、コーティング方式の偏光レンズ「POLATECH(ポラテック)」を紐解いていきたいと思います。

フィルムを使わない偏光レンズのメカニズム


HOYA社もポラテックの登場前はフィルム方式の偏光レンズを販売していました。
数年前にコーティング技術のある海外メーカーと提携したことからポラテックが生まれました。
HOYA社は調光レンズの技術も表面コーティングで調光を実現しています。

HOYA社は1941年に東京・保谷で創業した光学ガラスメーカーで、現在では世界最大級のレンズ製造グループに成長しています。
そのため、こういった最新テクノロジーを使った製品がリリースされやすい環境にあるわけです。

 

メガネレンズのコーティングについて動画があったのでご参考までに↓
こういった技術の応用によって偏光フィルムの効果を生み出しています。

 

 

ポラテックがどんなシーンで威力を発揮するか


第2回のTALEX編でも少し触れましたが、「度なし」であるのか「度付」であるかで偏光レンズは全く特性が異なります。
「度なし」であればTALEXが使うCR39素材は良い選択ですが、「度付き」ですと厚みが出てしまうCR39素材(1.50)はほとんど使われなくなってきています。

度付メガネを買われた事がある方は「薄型レンズ」「超薄型レンズ」と言ったように選択された経験があるかと思います。
薄型のグレードや遠近両用などの設計種類が多様化し、多くのメーカーが「偏光度付レンズ」へ対応しきれなくなってしまいました。


近年の遠近両用レンズの進歩は目覚ましく、設計ごとにフィルムを貼った材料を予め用意することが難しくなってきました。
度数や設計別に加工前の材料を持つリスクは非常に高いのです。
サングラスレンズは通常のレンズに比べ需要は少ないですし、極めてシーズン物の商品です。
そこで登場したコーティング方式の偏光レンズ「ポラテック」。

そう!つまり表面処理で偏光化できるので、ほとんどの種類の設計に対応可能となったわけです。
通常使用する材料を持っていれば、すぐに偏光化できるのです。
その点でHOYA社は非常に大きいアドヴァンテージを得たわけです。

 


例えばHOYA社はスポーツカーブ用の度付レンズの評判が良いのですが、今までクリアレンズで掛けていて偏光レンズが欲しいとなった時に、同じ設計で掛替え不安なく製作することが出来るわけです。

遠近両用レンズもそうですが、一度快適な設計を掛けてしまうと後戻りすることはできません。
この設計の種類で、ほぼ全バリ偏光レンズ化されたら敵うメーカーはありません。

カラーバリエーション


カラーバリエションも非常に豊富です。
ツボなカラーは全部揃っていて、レイバンカラーの偏光カラーが有るのが特徴です。

 

度なしの方はあまりメリットがありません


語弊があるのを承知で書きますが、「度なし」の方は検討しなくて良いと思います。
よほど気に入ったカラーがあれば別ですが、理由として”度なしのレンズ価格が設定されていません”。
つまり「度付きレンズ」と「度なしレンズ」は限りなく同価格です。
そしてまぁまぁ高いです。

 

POLATECHの度付・度なし別のレーダーグラフ(個人的な所感です)

↓度なし


カラー数:カラーラインナップは充実
品質:偏光レンズとして基本性能は備える
コーティング:他社同等クラスと比較すると少し優秀
耐久性:基本的なポテンシャルは総じて高い
価格:度無しは非常に高価になってしまう

 

↓度付き


カラー数:カラーラインナップは充実
品質:偏光レンズとして基本性能は備える
コーティング:他社同等クラスと比較すると少し優秀
設計:レンズ設計は自在に選択可能
薄さ:1.60&1.67に多様な設計の組み合わせ


【総評】

ホヤ社のポラテックは”度付設計優先”の方に選ばれるレンズです。
今まで良い設計のレンズを掛けていて、見え方の「質」を落としたくない方へお勧めしております。

「遠近両用レンズでお勧めの偏光レンズは?」と質問されたら「ポラテックです」とお答えいたします。
スポーツカーブの偏光レンズも各社のラインナップを比較すると「ポラテック」が優秀でしょう。

デメリットとしては他メーカーよりも価格が少し高いことです。
特殊な設計で偏光レンズを望まれる方は是非ともポラテックをご検討下さいませ。

 

 

 





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