New York Trip 002

moscot
ニューヨークでは毎日街を歩いて、多くのお店をリサーチしていました。
ときには飛び込みでの営業もします。

そんな最中にMOSCOTの本店が視界に入ったので覗いてみました。
100年以上続くニューヨークの老舗眼鏡店で、MOSCOTブランドのオンリーショップです。

 

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近年、日本でも人気がありますね。
2年前はブルックリンの店舗へ伺いました。
ニューヨーク&ブルックリンエリアに3店舗あります。

 

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お店は伝統的なアメリカの”THE OPTICAL SHOP”な雰囲気です。
ここ数年のクラシックブームで何かと注目されていますが、オプトメトリストも常駐し、自店加工もする一般的な眼鏡店。

 

アメリカは店舗内でも分業制で、接客する人・加工する人・検眼をする人が分かれています。
検眼は国家資格制度があり、日本のようにアルバイトでも検眼が出来るような簡単なものではありません。

日本の眼科で視力測定する際に出してもらう”処方箋”にあたる度数も、アメリカではオプトメトリストと呼ばれる専門職の人が処方します。

オプトメトリストが眼鏡店を経営していたりします。
私が聞いたアメリカの眼鏡店では処方箋にかかる費用は約200ドル。
その他に眼鏡フレームとレンズ代が掛かるわけです。

アメリカにもフレーム+レンズで100ドル以下で作れる眼鏡店は多く存在しています。
しかし約200ドルの検眼料が検査の際に掛かるとのことを考えると、安くても眼鏡の購入には約300ドル(約33000円)は掛かると聞きました。

検眼料が安い所もあるそうで、80ドルでかなり安い方だそうです。
眼鏡店のビジネスはある程度、制度によって守られていると言えます。

 

日本の眼鏡店は検眼で費用をお客様から頂くことが一般的でないので、商品代にその費用が上乗せされています。
検眼機や加工機の購入費用も商品の売上から捻出されます。

そう考えますと、今の国内の行き過ぎた安売り眼鏡はどうやって利益を出しているのでしょう?
出店されている場所も、ショップングモールなど家賃が高いでしょうから馬鹿になりませんね。

日本の消費者の方は安く眼鏡を購入できるメリットがある一方で、きちんとした検眼を受けられていない側面もあります。

先進国でオプトメトリー制度が無いのは、ごく少数派です。
視力は”国力”に繋がっていると考える国が多いのでしょう。
*有名な逸話があったりします。

途上国のオプトメトリー制度も珍しくありません。

日本もそういった選択肢が増えると良いと思います。

 

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MOSCOTの店内には多くのアーカイブスペースや、ギャラリースペースが併設されています。
有名人の写真も多く並んでます。
同じ眼鏡屋の視点からみると、少し違和感を感じました。

眼鏡に限らずアメリカのブランドに多いのですが、ヒストリーが出来上がってしまえばブランディングだけで食べていけます。
その内実をあまり重要視せず広告宣伝の上手さで稼いでいってしまいます。
これは一つのブランドの”強さ”で間違いありません。

MOSCOTも老舗でローカルなお客様が多く集っていますが、250ドル以上する中国製の眼鏡が並んでします。

アメリカでよく耳にするのは「中国製でも、そこそこの値段とカッコ良さがあればいい」と。

150ドル~250ドルがそのプライスゾーンに該当します。

中国製の眼鏡を否定しませんが。
ただMOSCOTヒストリーの”品格”に相応しくないように感じました。

 

 

とてもアナログ的かもしれませんが、デザイナーに会って生産拠点の裏付けを取り、自分の目で確かめてセレクトして行こうと決めています。

ブランド先行型の眼鏡を今後減らしていくことが、メガネナカジマの中期的な目標です。

 

 

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