第四話 あとのまつり

1月末ってのはなんだか寂しい。
猛スピードでクリスマス、忘年会シーズン、からの正月を終えどんちゃん騒ぎから一瞬だけ目を閉じると「あれ?私たちって盛り上がってましたっけ?」と言わんばかりに静けさがやってくる。
ここら辺からようやく今年を意識するようになる。
遅いねん。いやわかってる。
デフォルトで計画性のない私にとってその日その日で必死に生きてるのだ。
そんな私が今年の目標をなんとな〜くふわぁ〜と考える。
昨年は何回メガネを現場に忘れたかな。
めがねちゃんって名前が眼鏡○場やZ○ffより上に検索出てきたかな。
名前を調べてもらう際にどれだけ人に迷惑をかけたのかな。
昨年のことを思ったって何一つ仕方がない、
だけど昔から言ってから後悔したり
やってから後悔することが多い人生だった
めがねお馴染みの目標を考えずにまたダラダラと陰モードに入る。これではいかんいかん。うちの母親もあだち充も言ってた、ドンマイ。
今になってはすごく刺さる言葉だ。

 

H2 古賀春華

 

私事ではございますが、年明けは
二人芝居、舞台「Equal」で頭がいっぱいだった。
1月19日-23日までの公演のために年末からずっと稽古し本番を無事に終えた。
「Equal」は作品自体にファンがいて、
二人芝居のお相手の女優さんは、原作者の末満さんとずっとお芝居をしてきたそうで、抜擢された意味もすごくわかる。なんならエモい。
そんな中でのへっぽこちんちくりん謎の女、めがねちゃんの大抜擢。
私はビックリマンボーだった。
芝居がしたくて、二つ返事でやります!!と伝えた。

「Equal」は18世紀のヨーロッパの田舎町を舞台にし、ニコラとテオという幼馴染が錬金術を蘇られせて過ごした7日間の話である。
これだけ聞くと、なんだかレトロなファンタジーものを思い浮かべてしまうかもしれない、
だが違う。
私が感じ取る本作は、孤独が故に自問自答し続けた人物の7日間だと思う。

 

 

あかん、初見さんにはややこしなってる。

 

 

兎に角、すごく人間の本質的なところが剥き出しな作品だと感じた。演出家の賀恵さんから「作品の根本は、私を承認してほしいってことだ思う」と聞いた。
私はその言葉で一気に作品に近づけた。
孤独はきっと誰しも持ってる感情だ。
約20日間の稽古終え公演を経て静けさがやってきた。
私は不意に自分の姿を確認したくなった、
私は自分とは何ものか、誰かに必要とされているのか、私を承認してくれる人は誰か、考えは燻んでいて一向に晴れることはなかった。
私は想像する、そこに写る自分が自分じゃないように思えてならなかった。
なぜなら今回の役は眼鏡をかけていなかったからだ。
じゃあお稽古の時だけはめがねちゃんとして生きたのか、いや一度も眼鏡をかけていない。
私はめがねちゃんではない、ただのちゃんだ。
ドンマイ。

 

 

https://youtu.be/d1IC82eMUsE

 

 

 

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