人はなぜレイバンを選ぶのか。その魅力を徹底解剖。その3
どんなにファッションやアイウェアに疎い人でも、その名を知らない人はいないんじゃないでしょうか。そして初めてサングラスを買うとなったら、間違いなくその候補の一つに挙がる……。それほどメジャーなブランド「レイバン」の歴史や人気モデルを紹介します。今回は前回で語りつくせなかったウェイファーラーのバリエーション、そしてアヴィエイター、ウェイファーラーに次ぐ銘品を紹介しましょう。
CHECK!!
さらなるバリエーションで進化し続けるウェイファーラー
前回お伝えしたように、キング・オブ・クラシックという揺るぎない地位を築き上げたウェイファーラーですが、レイバンは伝統に捉われずにその時代に求められる数々のバリエーションを誕生させます。また、さまざまなイベントやコラボレーションによって、常に新鮮さを保つなどあらゆる層にファンを獲得しています。
1.ニューウェイファーラー
オリジナルのウェイファーラーのニュアンスを継承しつつ、やや小さめでレンズの天地幅を狭く、エッジが緩やかなシェイプとしたコンテンポラリーなモデル。こちらはオリジナルの「RB2140」同様に52mm、55mmの2サイズが用意されています。
出典:レイバン
2.ウェイファーラーフォールディング
その名の通り“折りたたみ”のフォールディング機能を加えたモデル。コンパクト性に優れているので旅先のお供にもってこい。ギミックとしても楽しいこちらのモデルは50mm、54mmの2サイズを展開。
出典:Etsy
3.そのほかのバリエーション
ウェイファーラーはオーセンティックなカラーが定番ですが、他にも多彩なバリエーションが存在します。フロント×テンプル、あるいは表×裏でカラフルな2つの色を使った「BICOLOR」はストリートでも人気の継続モデル。その他、軽量性・耐久性・柔軟性に優れたハイテク素材、サーモプラスチックを用いた「WAYFARER LITEFORCE」、レザーやデニムをフレームに使ったコレクションといった、秀逸なモデルたちが過去にも存在しています。
出典:レイバン
そして現在は公式オンラインストアから、フロントとテンプルのカラーコンビネーションやレンズなどを自分仕様にオーダーできる“カスタマイズ”というサービスも設けられています。
二大巨塔に次ぐ人気を誇る傑作モデルたち
レイバンには、アヴィエイターやウェイファーラーに負けずとも劣らない銘品が他にもあります。それがクラブマスター、そしてオリンピアンです。
1.クラブマスター
クラブマスターはトラディショナルなデザイン“サーモントブロー”のスタイルを踏襲し、1986年に初リリースしました。サーモントブローとは、メタルのリムの上部にプラスチック製のブロー(眉)を装備した威厳のある顔を演出するデザインで’50~’60年代に、当時の知識層や富裕層の眼鏡フレームとして一世を風靡したデザインでした。レイバンはそのデザインにインスピレーションを受け、眼鏡フレームだけでなくサングラスモデルもラインナップ。それが’80年代のモード系ファッションとの親和性の高さから、大ヒットします。その後も映画「レザボアドッグス」で、ティム・ロスがブラックスーツにクラブマスターのサングラスを合わせるなど、常にファッションの匂いが漂うフレームとして認知され、さらに今日ではクラシックアイウェアのムーヴメントによってふたたび人気を博しています。
2.オリンピアン
オリンピアンは1965年に初リリースされて以降、アップデートを重ねながら進化してきました。メタルテンプルから流れるブローバーに、独立したリム(レンズを支える枠)がアクセスする構造と8カーブの流線型デザインは、発表された当時のアイウェアデザインを見回してもかなり斬新だったことが窺えます。そしてデザインが刷新されるとモデル名の末尾にⅡ、Ⅲ、Ⅳの表記が加えられ、それぞれにレンズを支えるリムがプラスチックのタイプと、リムもメタルの“DELUX”モデルが存在しています。中でも有名なのが、映画「イージーライダー」でピーター・フォンダが着用したオリンピアンⅠ デラックスでしょう。社会現象にもなったイージーライダーのおかげで、オリンピアンはバイカーシェイドの代表格となりました。
いかがでしたか? 20世紀の光学技術の発展に貢献し、大衆へサングラスを普及させたパイオニア。そしてファッションや映画、音楽シーンと密接にかかわり、サングラスを一つの文化に昇華させた功労者。21世紀もなお影響力を持つレイバンの魅力を3回にわたりお伝えしました。
実川 治徳
フリーランスライター
アパレルブランドの店長、プレスを経て2000年からフリーランスライターとして活躍。アイウェアやファッションに特化した記事をメディアに寄稿し続ける。2005年から眼鏡の専門誌として知られるワールドフォトプレス発行の「モードオプティーク」にて、アイウェアの国際展示会SILMのリポートを執筆し、世界中のデザイナーと親交を深める。2016年からはネコ・パブリッシングがバックアップする「V MAGAZINE JAPAN」の編集・執筆を手掛け、世界のアイウェアシーンを発信する。フリーランスのフットワークの軽さを活かし、現在はメガネブランド「GROOVER SPECTACLES」の北米向けセールス&プロモーションを担当。
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